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一度着たら手放せない!猛暑の救世主「 #空調服 」ヒットの背景

【Yahooニュースより】

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例年通り今年も、猛暑の折「空調服」が多くのメディアで取り上げられている。最近では“ファン付きウェア”とも呼称されつつあるが、ポータブルオーディオプレーヤーがその元祖であるソニーの「ウォークマン」と世界中で呼ばれ続けたように、ファン付きウェアも巷では空調服と呼ばれることのほうが多いように思う。本稿もこれに則って、ファン付きウェアを「空調服」と呼称させていただく。

 

空調服がこれほど注目を集めているのは、まず単純に日本の夏の暑さが毎年厳しくなっているからだろう。

 昨年2018年の夏は、統計開始以来となる厳しい暑さとなり、今年も梅雨が明けた途端に全国的に連日の猛暑日が続いている。気象庁の統計とその推移を見ると、日本の夏が右肩上がりに暑くなっていることがわかるが、その数字を見るまでもなく体感として「今年の夏も、昔と比べると厳しい」と感じる人が少なくないのではないか。

 この暑さと比例するように、空調服の市場は拡大している。その規模はファン付きウェアを開発・販売する株式会社空調服の試算で、現在300億円規模の市場になっていると推測されている。2004年、同社が最初に有償試作品として発表(翌年、正式に製品として販売開始)された当時の市場規模が1億円ほどだと推定すると、15年間でおよそ300倍もの規模となったということになる。

 当初は企業・法人が主な販売先だった空調服。屋外作業を行う建設業や土木業、屋内ならば室温が高くなる鉄鋼業などの現場で使われるようになり、その効果が評判を呼んで広まっていった。

 空調服の一番の特色は、空調服を発明・開発した市ヶ谷弘司氏(株式会社セフト研究所社長・株式会社空調服会長)をはじめとして、関係者の誰もが口にする「着れば分かるその快適さ」だ。一度着たら手放せなくなる中毒性があるとも言われるが、これがリピート率の高い固定客を作り出した。

 

 

 加えて、震災復興や東京オリンピックなどによる建設需要の拡大に伴い、業界内でさらなる普及が進んだことが空調服市場の安定と拡大をもたらすこととなった。現在ではアウトドアレジャーや屋外イベント、スポーツ観戦など利用シーンも多様化し、暑さ対策の定番グッズとしてコンシューマーにまで普及が進んでいる。

 日本の都市部では、夏は「涼しい、あるいは涼しすぎるエアコンの効いた場所」と「いつ熱中症で倒れるかわからない危険なエアコンの効いていない場所」という環境に分けられるようになって久しいが、空調服の誕生は、そんな夏場のエアコン依存の環境を変えることができる可能性を示したのだ。

 

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夏場に快適さをもたらす空調服だが、よく課題として挙げられるのが空気で膨らんだ服のフォルムである。空調服の普及がコンシューマーではなく、特殊な環境下にある職場から進んだのもこれが大きな要因となっている。ファンを回すモーターの回転音、取り付けられたプロペラ、そして膨らんだ服というのは日常的に着用するにはユニークすぎるということなのだろう。

 

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 ただ空調服が本当にユニークなのは、その発想の原点の部分だ。現在の使われ方を知っていると意外に思うかもしれないが、空調服は暑さ対策のためではなく、そもそもは地球温暖化対策のために発想された。もちろんこれを両立させているのが現在の空調服なのだが、少なくとも発想の初期段階では主体的な目的は後者にあった。

 前述したとおり、空調服は市ヶ谷弘司氏によって発明・開発された製品である。ソニーの技術者だった市ヶ谷氏が独立・起業後、出張で訪れていた東南アジアでその着想を得た。

 都市開発が進む街の様子を見て地球温暖化が進むことを確信したことがきっかけであり、そこでまず考えたのは「なぜ地球温暖化が起こるのか」といった問いだったという。この初めの問いが空調服の設計思想及び性能、効果にも反映されている。

 

 

 エアコンを使いすぎて外気が暑くなり、その暑さを和らげるためにエアコンを使う。このような夏場の悪循環に、多くの人が一度くらいはモヤモヤした感情を覚えたことがあると思うが、空調服の発明はこの屋外に排出される無駄な熱エネルギーを減らすことが当初のコンセプトだった。そこから「なぜ地球温暖化が起こるのか」を分析して、理詰めで逆算して作られたのが空調服なのである。

 エアコンに代わる価格の安い冷却グッズの発明ではなく、「なぜ地球温暖化が起こるのか」という問いがあったからこそ、結果として空調服は開発過程で生物工学的な発想にたどり着いた。そして空調服は夏場の快適な活動環境を実現するとともに、温室効果ガスをほとんど排出しない地球環境に優しい製品となった。

 もしこれが、また別の問いから開発をスタートしていたならば、まったく違った製品が生まれていたかもしれない。

 

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空調服はリピート率の高い製品で、顧客満足度が高い製品ということでもある。それが、中毒性があるといわれる所以であり、ここまでのヒット製品となった理由でもある。

 高いリピート率と満足度を維持する理由を考える上で、まず注目すべきなのは空調服が持つ実務的な効果だ。空調服は低エネルギーで夏場の快適さを実現するが、これによって以下のような効果が期待できると考えられる。

 (1)健康の維持
(2)生産性の向上
(3)費用対効果が高い
(4)省エネである
(5)地球環境に優しい

 

 

 個人が購入する場合に、動機としてまず挙げられるのは健康維持だろう。実際に「夏場の仕事が楽になった」、「夏バテが解消された」という感謝の声は販売元にも数多く届いているという。故障品が発生した際には「ウチの旦那を殺す気か!」というクレームがきたという話もあるくらいなので、職種によってはなくてはならないものになっていることがわかる。

 どのような職場であっても、空調服があることを前提に仕事の工程・プランが立てられているようになれば、その重要性はさらに増すことになることは自明だ。建設業や鉄鋼業界に急激に普及したのはこうした部分が大きな要因と考えられる。

 具体的には、休憩・クールダウンの時間や頻度が大きく変わってくる。別の方法で同等の環境を作ろうとすれば、設備投資とランニングコストは計り知れないが、それに変わる投資と考えれば空調服は決して高くはない。空調服ならばたとえ故障が発生しても予備の服に変えることで対処できるので、故障によって工程に影響もほぼ出ない。

 

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 エネルギーコストの削減は省エネ、温室効果ガスの削減にもつながる。2018年12月に改正省エネ法が施行されたことで、工場等の設置者や特定事業者に省エネのための努力義務や報告義務が課せられることになった。空調服の導入は、その対策の有効な一手として考慮されることにもなっているだろう。

 期待できる効果を挙げると、導入企業のメリットは少なくない。省エネを地球環境への配慮だと考えれば企業イメージの向上にもつながり、従業員に導入するならば福利厚生としての意味合いも出てくる。

 ただ、効果の面だけをみても「中毒性がある」と言われるほど空調服が求められる理由には少し届かない。それは空調服の魅力が、着たときの体験にあるからにほかならない。これをあえて効果として挙げるならば空調服には、(6)感動があるとなる。

 「ファンが付いているだけの服が、なんでこんなに涼しいのか」と驚き、その仕組みを知って「なんて面白い製品なのだ」と納得し、使ってみてその快適さを実感する。そして、それを知ってしまうと後には戻れない。この感動の部分も、空調服が中毒性を持つ大きな理由の一つなのだ。

 

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地球温暖化とその対策が地球規模で求められる時代を考えれば、空調服は今後より広く求められることになるだろう。

 

 

 BtoBならば、建設業や鉄鋼業など特定の業種ではすでに広く浸透しているが、これらの業種では空調服はすでに必要不可欠な用品になっているため、継続的なリピートが期待できる。未開拓な業種も少なくなく、国内で約350万人が従事する農業をはじめ、夏場の屋内外で働く人たちのニーズは今後も増えていくはずだ。また災害の多い日本では、復興支援活動や避難者に対しての暑さ対策としての役割も期待されるところである。

 ただコンシューマー向けは、アウトドアや屋外スポーツ観戦など特定なシーンを除けば普及が進んでいるかは不透明だ。

 ネックとなっているのは、やはりそのユニークな外見だろう。ここ数年はバリエーションも増え、デザインも多彩になってきてはいるものの、空調服の性質上、膨らむという部分を改善するのは難しい。人は暑いと汗をかき、汗が蒸発するときに熱を奪う。この人に元来備わっている生理的な排熱の仕組みを補助するためには、服の内部に空気を通すことが欠かせず、空気を通すと服はどうしても膨らんでしまう。

 ただ、夏場でもマスクをしている若者がいる時代だ。ちょっとしたきっかけで使用する人が増える可能性もあり、ハードルは高いがその先には大きな可能性が広がっている。

 たとえば公立学校におけるエアコン設置が自治体によっては議論されるが、その代替案として空調服の導入が検討されることも考えられる。もしも生徒や学生といった世代に利用されることになれば、一般向けのハードルは大きく下がるだろう。

 可能性という意味では、海外展開にも期待が高まる。近年続いている欧州の熱波の様子などを見ると、エアコン普及率が低く、環境への意識が高い欧州でのほうが一般への浸透は早いかもしれない。

 そういった意味では今年、日本で開催されるラグビーW杯や来年開催の東京五輪は、空調服の展示場となり得る。海外大手のユニフォームメーカーなどが乗り出すことになれば、急速に普及が進む可能性もあるだろう。

 かつてウォークマンは世界中に未知の体験を提供した。そして今、元ソニーの技術者が発明した空調服が新たな体験を世界に提供する可能性に期待がかかる。

 

 

 


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